「ゆがんだあと」


◆この特集について◆

この特集はリヴァイアス内で起こった集団暴行事件(「ミシェル事件」と勝手に呼称)についての考察とその時の視聴者(自分含む)や作り手側(もちろん予想の範疇だが)を考察し、この事件が作品全体に与えた印象や必要な表現であったかなどを考察してみようと言う趣旨の元に作成されたコンテンツです。
また、同じ事件として「こずえ事件」もありますので、併せて考察しようと思います。
(備考:「ミシェル事件」はsere16、「こずえ事件」はsere18,19です)

「あんなん思い出させるな!」と思う方もいらっしゃるとは思いますが、ミシェルのファンサイトを立ち上げている以上、避けては通れないと思い作成しました。
書き手(私)の独断と偏見がかなり含まれていますので、読む方にとっては不快な印象を与えてしまうかもしれませんのでお読みになる方はそれをご承諾の上お読み下さい。

このコンテンツに関するクレーム、批判などは随時受け付けておりますので、気に入らない点、不快に感じた点などありましたらメールや掲示板などで遠慮なくお申し出下さい。
また、それが書き手の望みでもあります。

◆ミシェルの服装について◆
服装 「なんで服装?」と思われた方もいらっしゃると思います。本放送の放映が夕方と言う事もあり、この事件に関しては結構遠回しな演出方法になっていて、当時の公式サイトの掲示板などを見ると「ミシェルに何かあったの?」と、すぐに気づかなかった方もいらっしゃったようなので、状況証拠(って程大げさじゃありませんが)の一つである、服装について、予備知識としてご紹介します。
画像の様に最初に首輪を外さないと服が脱げないようになっています。
ちょっとニュアンスは違うと思いますがおおよそ「貞操帯」のような意味合いと考えていただいて良いと思います。
画像はあくまで想像図ですが首輪が取れないと服が脱げないのは間違いないです。
◆状況分析◆
状況分析 状況を順を追って説明していきます。
○野郎供の台詞
野郎A「ああ、終わったよ」
野郎B「どうだった?」
野郎A「なんかあっけねーよなー」
野郎A「もうちょっとなんかグッとくるかと思ってた」
野郎B「そんなもんだっての」
野郎B「いいか、IDナンバーは誰にも教えるんじゃねーぞ」
野郎A「わかってるよ」
もう今思い出しても虫唾が走るこの台詞。 何があったか想像はつくと思います。 さらに
○アップ時に外れていた錠前
これがあってここで何があったかは決定的です。上で書いた通りミシェルの服はこの錠前が外れないと脱げない構造になってます、それが外れていたと言う事は…
こずえ嬢の件については、sere19でキレたイクミが殴り飛ばしていたのが野郎連中だったと言う事で自明です。なんと言うかこの二件を見てて自分が男だって事が嫌になりましたよ、ほんと。
○この件についての謎
・「鍵」の入手方法は?
野郎供がどうやって鍵を手に入れたか?私の考えとしては「ミシェルが自ら渡した」のではないかと考えています。 錠前の鍵ですから、隠そうと思えば隠し切る事くらいできるわけですが、もう拘束された時点でミシェルは脱出を考えていたのではないかと思います。ようは男どもをたらしこんで脱出してやろうとすでに考えていたと。
・拘束機の意味するところは?
フー、ソン、クリフ、チャーリーは単純に独房に入れられているだけなのになぜミシェルだけ拘束機までつけて厳戒態勢なのでしょう?単純に考えたら一番非力で脱出できなさそうなのはミシェルなのに。これはもう完全に演出効果を狙ってのことでしょう。ここまで状況が揃ったら何があったかわからないと言う人はいないでしょう。ここでのミシェルの一言。
「ほんとにあたしらを見捨てたの?…ブルー…」
痛い…痛すぎます(涙)
◆視聴者の反応◆
○公式サイトBBSでの反応
当時の公式サイトのBBSでの反応は、それはもう凄いことになってました。
関連書き込みは全てまとめたのでアップしようかとも考えたのですが、キリがないくらい多いので断念いたしました。
ただ、sere16の時にくらべるとsere19の時の反応は幾分少ないように感じました。
sere16の時点で視聴し続ける事を断念した方もいたのでしょうか?
個人的にはそれくらいショック大きい出来事だと思ってます。
○個人的反応
上に書いたように、かなりショッキングでした。
なぜこうもショッキングなのかと言う事を某日、某チャットで某Z氏(バレバレ?)と話てたのですが、そのあたりのやり取りを交えて検証しようと思います。

Z氏「でも正直、実写のドラマだったら、あの時点で見るのやめてたですね…多分。」
私 「私も実写ならあそこまでショック受けなかったと思いますね」
Z氏「たぶん…白けたでしょうね。ワタシは。」
私 「白けましたか」
Z氏「なんつーか…「視聴率取るためにやるよね…やっぱり」みたいな(笑)
   結局、「ショッキングなシーン!」ってTV情報誌に書かれるための
   ものだとしか思えなくて。やっぱり他の番組で笑ってるのを見れる…
   ってのもあるんでしょうけどね>実写だと白ける」

Z氏の最後の部分は事の他重要だと思います。
ここが実写とアニメや漫画の感情移入度の違いではないでしょうか?
実写だと例えば悲しい出来事があっても別の作品で同じ俳優さんが笑ってたりバラエティ番組に出てたり…そう言う事を繰り返し見てると「ああ、作られたお話なんだな」と言う意識が意識しなくとも植え付けられて行ってしまうので。まぁこの辺りは個人個人で感じ方は違うと思いますが。
私としてはこの事件でアニメ、漫画の「この作品だけのキャラクターの重要性」みたいなものを改めて感じた気がしました。
◆総合的な結論◆
○必要な表現であったのか?
 放映当時の私自身の気持ちとしては
 「わかってんだからわざわざわからせんなよ、ムナクソ悪いなぁ…」
 と言うのが正直な気持ちでした。
 いろいろ考えた今現在の考えはと言うと、
 「秩序の歪みを表現する上で必要であったのでは?」
 と思っています。理由は以下の2つです。

『直接的な暴力や殺人のみでは表現は難しい』
演出的な解釈で、非常に気分を害される方もいらっしゃると思いますが、アニメや漫画において、もはや一般的になりすぎてしまっている殺人やリンチなどと言った方法ではとてつもなく荒んでいる艦内の秩序と言うものの表現は難しかったのでは?と言うのが一つです。
特に、リヴァイアスがターゲットとしてる、登場人物と同じ世代(中、高生)の年代などはこの手の演出(殺人など)には慣れ過ぎてしまっているのではないかと思います。
作品中であれだけの数の生徒達がいるにも関わらず、ほとんど死者が出ず、イクミを通して人の死と言うものの重さを非常に強く訴えかけていたのは、もちろん「人の死」と言うものの重さを直接的に訴えかけてたのもあるのでしょうが、こういった風潮に対するアンチテーゼも多少合ったのでは?と、考えたりもしました。

『「リアル」を追求するならあの出来事は必然であったこと』
これがもう一つです。
あの条件下ではミシェル、こずえに限らず、ああ言った出来事は起きていると考えるのがむしろ自然ではないかと思われます。
(小説ではナタリー嬢の心情を通して前振りが入っていたりしました)視聴者に「そう言うこともあるのではないか?」と想像させるだけではなく演出として行った事に対する是非は個人の判断だと思うのでここではあえて言及しないことにします。

私的には今のところこのように考えています。
ただ、そうすっぱり割り切れる問題ではないので、これをご覧になった方のご意見をお聞きしたいです。


○その後のミシェルの扱いについて
注:かなーり愚痴モードです(汗)
上では肯定的(決して肯定してるわけではないですが)な意見を述べてるようですが、これについては非常に不満があります。
CDドラマ3のレビューとかぶりますが、あれだけの大役を果たしたミシェルに対して、トリモチで終わりは酷いです(涙)
小説版(現在、第1巻発売中)のミシェルの過去のくだりがひょっとしたら「ミシェルはあれくらいではビクともしない強い女の子だよ」と言う黒田さんなりのフォローなのかもしれません。
確かにミシェルの過去があれほど悲惨なものであったのならミシェルにとっては どうという事ないのでしょう、フォローになってます。
しかーし!!ファンとしてはちっとも納得いきません!
とゆーか、男、いやさ『漢』として、ああいった悪夢のような暗い過去を持ってるコにこそ幸せになって貰いたい!そうは思いませんか黒田さん!!!(檄!力説)
あれじゃ生まれた時から不幸だった女のコが現状を打破しようと開き直って頑張ったけどやっぱり不幸なコは不幸なままなんだよって終わり方にしか見えないよぅ(涙)
なぜここで脚本の黒田さんを名指しかとイイますと、「えがかれたあした」(角川書店NewType100%シリーズ)での黒田さんのインタビューにこう書いてありました。

「ミシェル大好きという人にとっては消化不良かもしれませんが、僕としては”ちゃんと終わっていませんか”といいたいですね。」

ちがーう!違うんだぁ!リヴァイアスの終わり方に納得してない訳じゃないんだぁ!
アニメファンとして、ミシェルファンとして…ぶっちゃけた話し二次コンとして(笑)
自分の惚れこんだキャラへの最終的な扱いに納得が行ってないだけだぁ!(もうヤケ(笑))
と、あのインタビューでの台詞を私個人へのメッセージと勝手に解釈してこの場を借りて反論させていただきました(笑)

誤解のないように書いておきますと、私個人のリヴァイアスの最終回の率直な意見はほんと近年希に見るくらい納得行ったと言うかすっきり感動できたラストでした。
それはもうこうして放映終了してもファン活動続けてることでもお分かりいただけることと思います、そして納得行ってない部分もあるからこそ続けていると言う事も。
その納得行ってない部分がミシェルのラストの扱いなわけですが、ハイ(笑)

そんなわけで愚痴モード終了です。
小説版の2巻あたりでこの辺りの話が文章化されたらそれはもう痛々しくて見ていられない事になること請け合いなので、最低限、あの時のミシェルの心情、トリモチ後のプレストーリーなどを書いていただけると嬉しいなぁと思ってます。
あと最後に一つ…
「お兄ちゃん」たちに痛い目見せてください(切実)

それでは私的見解に偏りすぎて申し訳ありませんでしがが、今回はこのへんで。
2巻、3巻が出たら、再度考察してみたいと思います。


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